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ダニ媒介性脳炎
ダニ媒介性脳炎の概要
ダニ媒介性脳炎(Tick-Borne Encephalitis, TBE)は、フラビウイルス属のウイルスが原因で発症する感染症です。主に森林や草原に生息するマダニに咬まれることで感染します。感染すると発熱、頭痛、倦怠感などの症状が現れることが多いですが、一部の患者(1~2%程度)では脳炎や髄膜炎に進行し、神経障害や後遺症が残る(20~40%程度)ことがあります。
流行地域
ダニ媒介性脳炎はヨーロッパ、ロシア、中国北部、極東など広く認めており、森林地帯で多発しています。特に春から秋にかけて、アウトドアで活動を行う人にリスクがあります。日本でも北海道でこれまで複数例の感染報告があり、島根県でもダニ媒介性脳炎ウイルス保有動物が確認されています。
予防
- 防ダニ対策:
- 森林や草原を訪れる際には長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を少なくする。
- ダニ忌避剤を使用する。
- 予防接種:
- 流行地域で長期間滞在する場合や、野外活動を予定している場合に推奨されます。
ダニ媒介性脳炎ワクチンについて
ワクチンの種類
日本では2024年から「タイコバック®」が発売され、国内で接種できるようになりました。
用量・用法
ワクチンは不活化ワクチンで、接種量は小児も成人も0.25mlで、筋肉内接種です。3回の接種を行う「初回免疫」と必要に応じて行う「追加接種」があります
通常接種
1回目接種の1~3か月後に2回目接種を行い、2回目接種の5~12か月後に3回目接種を行います
迅速接種
渡航までの時間がない場合、1回目接種の2週間後に2回目接種を行い、2回目接種の5~12か月後に3回目接種を行います
追加接種
長期免疫が必要な場合、3回目接種の3年後に接種を行い、以後は1~60歳では5年ごと、60歳以上では3年ごとに実施します
効果
3回の接種後、抗体陽転率はほぼ100%に達し、高い予防効果が確認されています。
副反応
一般的な副反応は接種部位の痛み、発赤、軽度の頭痛、発熱などです。重篤な副反応は非常にまれです。
接種推奨者
- ダニ媒介性脳炎流行地域への渡航を予定している方
- 森林でのアウトドア活動(日本を含め)や職業的にマダニの接触リスクが高い方
まとめ
ダニ媒介性脳炎は、海外渡航時のみだけではなく、日本国内でも感染リスクがあります。アウトドアや登山をされる方はぜひ接種を考えてみてください。お問い合わせはお電話でお願いします。