乳幼児健診

  • 10か月健診(個別健診)は、月曜日・水曜日・木曜日の14時45分から行っています。
  • 受診の際には、母子手帳を忘れずにご持参ください(松江市の受診票がある場合はあわせてご持参ください)。

ご予約は公式サイトからお願いします。

10か月健診以外の月齢での健診につきましては、予防接種の際に、身体計測および身体診察をさせていただいています。

*松江市では 乳幼児健診、1歳半児健診、3歳児健診は 集団での実施になります。

特徴

元新生児科医だからこそ伝えられることがあります。

特に生後間もない赤ちゃんのお困りごとについては適切にサポート、アドバイスを提供いたします。産科クリニックでお生まれになったお子さんや松江市以外でお生まれになった里帰り出産のお子さんの1か月健診にも対応しています。母乳栄養や離乳食でお困りごとがあれば、地域の助産師さんや栄養士さんと連携してサポートさせていただきます。

乳幼児健診では身体計測や栄養状態の確認などを通してお子様の健やかな成長を見守りつつ、異常の早期発見に努めます。島根県内の各市町村の無料券が使えます。母子手帳と併せてご持参のうえ、来院ください。

松江市では乳幼児健診として4か月健診、1歳半健診、3歳健診は集団で行っています。

クリニックでは個別健診として、個別健診として10か月健診を行っています。松江市の10か月児健診乳児一般健康診査受診票が使え、無料で受けることができます。

保育園入園前の健康診断(文書作成料1,000円いただいております)も行っています。

松江市の乳幼児健診のほかに、下記の健康相談にも応じています。

「小児科デビューは生後2週間から」

1か月健診までの子育てでお困りのことありませんか? はじめての子育てには不安がつきものです。当院では、生後2週間健診を推奨しています。新生児専門医だからお答えできる子育てのいろいろな疑問を気軽に相談できます。

例えば、こんなこと相談できます

  • 赤ちゃんの顔にぶつぶつ、湿疹ができた
  • おへそがジュクジュクしている・飛び出ている
  • 母乳がきちんと飲めているのかわからない
  • 先天性股関節脱臼の超音波検査を受けてみたい
  • 産科クリニックを退院したけど、赤ちゃんの受診先を探している
  • 松江市外でお産したけれど、松江市内の1か月健診できるクリニックを探している

赤ちゃんのご様子にあわせて適切にアドバイスさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

1か月健診は小児科?それとも産科?

多くのお母さんは分娩した病院やクリニックで、産後検診を受けられると思います。そのまま赤ちゃんの1か月健診も産科で行われることが多いと思います。もちろん、お乳のことや産後の経過をみるために出産された病院やクリニックで経過をみてもらうこともとても大切なことです。

でも、ちょっとお願いがあります。

生後1か月の時に、「小児科医の診察を受ける」ことはとても大切であることをみなさんに理解していただきたいです。

というのも、生まれて1か月は、「妊娠中に分らなかった生まれつきの異常が見つかる」ことが、よくあるからです。

たとえば、

  • 動脈管開存症や心室中隔欠損症などの非チアノーゼ性の先天性心疾患は生後1か月ぐらいから心不全症状が認められることがあります。
  • 新生児聴覚スクリーニングで再検査になったお子さんのなかに、先天性サイトメガロウイルス感染症のお子さんが一定数おられ、早期に抗ウイルス薬治療を行うと、聴覚予後が改善する可能性があります。
  • 胆道閉鎖は、便色カードでチェックして、生後60日以内に発見しないと、葛西手術を受けることが難しくなります。
  • 先天性股関節脱臼は、生後1か月の超音波検査で簡単に見つけてあげれて、早期治療につなげることができます。
  • 先天性代謝異常症や内分泌疾患には、様子観察をせずに治療をできるだけ急いだ方がよい疾患があります。
  • 内服治療可能な乳児血管腫はできるだけ早期に治療開始した方が、治療効果があります。

小児科デビューが、生後2か月のワクチンデビューの時では遅すぎることがあることをお母さん、お父さんにぜひに知ってほしいです。

ですから私の結論は、

生後1か月健診は、生まれた施設でもしてもらうけど、くわえて小児科医の診察をぜひ受けてください」です

体重の増え方が気になる、肌が荒れている、おへそがじゅくじゅくする、どんなお困りごとでも構いません、生後1か月になったら、お近くの小児科のクリニックへの受診をお願いします。

乳幼児の先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)に対する超音波検査について

 先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)は、脚の付け根の関節が外れる・不安定になる病気です。その発生は1000人に1~3人程度でまれな病気ですが、生まれてからの抱っこの仕方やおむつの当て方によって、日本での発生は少なくなりました。しかし、病気の減少とともに、関心が薄れ、近年では診断が遅れて歩行開始後に股関節脱臼と診断され治療に難渋する例が全国的にみられるようになりました。

 先天性股関節脱臼は予防と早期発見・早期治療が大切で、乳児健診で脱臼を早期診断・治療を開始すれば、多くのお子さんは問題なく治してあげることができます。海外では早期発見のために超音波検査が取り入れられており、その有用性が認められています。日本では股関節脱臼に対する超音波検査の取り組みは始まったばかりですが、乳児健診で「股関節が固い」などと指摘された場合は、時期を逃さずに速やかに検査を受けることをお勧めしています。超音波検査はレントゲン検査と異なり被ばくがなく、数分で行える検査です。本来は生後6か月までのすべてのお子様に受けて頂きたい検査です。

当クリニックでは超音波検査で先天性股関節脱臼のチェックを行っていますので、ご希望の方はぜひ受診してください。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防

 乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndromeともいいます)は1歳未満のお子さん(特に2か月~6か月に多い)が睡眠中に特に原因がわからずに突然亡くなってしまう病気です。日本での発症頻度は6000~7000出生に1人の割合で起こります。令和元年には全国で78人のお子さんがSIDSで亡くなり、乳児期の死亡原因の第4位になっています。SIDSの発症を少なくするための3つのポイントがあります。

  • 1歳になるまでは寝かせる時はあおむけに寝かせること
  • できるだけ母乳で育てること
  • 家族全員がたばこをやめること

これらの3つポイントに注意してもSIDSを完全に防ぐことができません。特にリスクが高いとされる早産で生まれたお子さんや乳幼児突然死症候群に心配があるご家族には、自宅で使用できる無呼吸モニター(ベビーセンスホーム®)のご使用を当クリニックでは推奨しております。類似製品が多く市場に出回っていますが、医療用として認められているのはベビーセンスのみです。ただ、これらのモニターを使用しても確実に乳幼児突然死症候群を予防できるものではありませんので、その点はご留意ください。

また、SIDSは妊娠中の喫煙を含めて、喫煙が強く発生に関連しますので、お母さんだけでなく、お父さんも含めて、小さいお子さんがおられるご家庭は禁煙されることをお勧めします。当クリニックでは、内科外来で禁煙外来も行っています。お子さんの誕生を機に禁煙したいお父さんお母さんはぜひご相談ください。

新生児のビタミンDの補充

ビタミンDは赤ちゃんの骨の成長・発達に必須なだけではなく、免疫調整作用などの役割もある大切な脂溶性ビタミンです。ビタミンDは食事(赤ちゃんであれば母乳)から摂取されるほかに、皮膚に日光をあたることで産生されています。したがって、日光が当たりにくい生活環境にある、例えば高緯度に住んでいる、冬生まれ、過剰な日焼け止めクリームの塗布、ビタミンDの含まれた食事を好まないなど、があるとビタミンDが不足するリスクが高くなります。ビタミンDが不足した状態が長く続くと、ビタミンD欠乏性くる病を発症し、骨が曲がったり、骨折したりと問題になることがあります。(実際に日本人の母乳に含まれるビタミンDが少ないという報告もあります。)

WHO/UNICEFでは世界中の母親に生後6か月は母乳だけで育てて、それ以後は離乳食を与えながら、母乳育児は2年以上続けることを推奨していますが、赤ちゃんがビタミンD欠乏にならないように、以下のことに気を付けましょう。

  • お母さんがビタミンDを多く含む食物を摂取し、日光を浴びる
  • 赤ちゃんも適切に日光を浴びる 両方の手の甲ぐらいの面積が15分間程日光に当たる程度、または日陰で30分程度過ごす程度
  • 特別な配慮が必要な場合には、上手にビタミンDのサプリなどを用いて補充しましょう
  • お母さんがもしくは赤ちゃんに多品目の食事制限が必要な場合や菜食主義の場合
  • 日光をあまり浴びない生活が続く場合
  • 未熟児骨減少症の予防・治療で必要な場合