A型肝炎の概要
A型肝炎は、A型肝炎ウイルスの経口感染や糞口感染によって発症する急性肝炎です。潜伏期間は2~6週間程度で、症状は発熱、全身倦怠感、黄疸など生じます。多くは1~2か月の経過で回復しますが、症状が長引いたり、再発する例があります。A型肝炎の致死率は0.1~0.3%程度ですが、高齢になるほど重症化し、50歳以上では1.8%程度になります。
流行地域
A型肝炎ウイルスは世界中に分布しています。途上国だけでなく先進国でも流行することがあります。
予防方法
- 流行地域ににおいては手洗いや加熱処理をしたものを食べる
- 飲用にはミネラルウォーターを用いる(炭酸水の方がベター)
- 予防接種
A型肝炎ワクチンについて
ワクチンの種類
日本で用いられるA型肝炎ワクチンは「エイムゲン®」です。海外製のA型ワクチンと相互接種しても問題はありません。
用量用法
不活化ワクチンで、接種回数は3回で、0.5mLずつを2~4週間隔で2回、初回接種から24週経過後に追加接種します。接種部位は筋肉内または皮下に注射します。小児への用法・用量は成人と同様です。
効果
10歳以上の健常者を対象にした臨床試験では、A型肝炎ワクチン2~4週間隔で2回接種後の抗体陽転率は100%で、3回接種すると5年経過した後でも抗体価が維持されていました
副反応
主な副反応は全身倦怠感(2.8%)、局所の疼痛(1.6%)、局所の発赤(1.0%)、発熱(0.6%)などほかのワクチンでも見られる副反応で、重篤なものはありません。
接種推奨者
特に途上国に渡航するすべての方、WHOでは1歳以上の接種を推奨しています。
まとめ
A型肝炎は予防可能な感染症のひとつです。海外渡航前に、予防接種を検討しましょう。
当院では、渡航先や滞在期間に応じた最適な接種プランをご提案します。お気軽にご相談ください。