B型肝炎の概要
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)が血液や体液を介して感染する肝炎です。感染経路には、血液を介しての感染(輸血、不衛生な医療器具の使用)、母子感染、性行為などがあります。感染後の潜伏期間は1~6か月で、約20~30%が急性肝炎として発症し、急性期は倦怠感、発熱、黄疸などの症状がみられます。またウイルスを排除できない場合は慢性化して肝硬変や肝がんに進行するリスクがあります。
流行地域
B型肝炎は世界的に広がっていますが、特にアジア、アフリカでの感染率が高いです。日本でも過去に多くの感染が確認されていますが、日本では2016年から定期接種化され、若年層の感染率は減少しています。
予防方法
- 医療行為の安全性の確認: 清潔で適切な医療機器を使用する医療機関を選ぶ。
- 体液との接触回避: 血液や分泌物への接触を避ける。
- 予防接種: ワクチン接種が最も効果的な予防策です。
B型肝炎ワクチンについて
ワクチンの種類
日本で用いられるB型肝炎ワクチンには「ビームゲン®」や「ヘプタバックス-II®」などがあります。
用量・用法
B型肝炎ワクチンは、不活化ワクチンです。標準的な接種スケジュールは初回接種後、4週後に2回目、初回から20~24週後に3回目の接種を行います。接種部位は皮下に注射します。成人は0.5mlですが、10歳未満の小児の用量は0.25mlです。
効果
B型肝炎ワクチンは、3回接種後の抗体陽転率が高く(約90%)、長期間にわたる免疫が期待されます。成人では免疫がつきにくいため3回接種1~2か月後にHBs抗体をチェックすることが望ましいです。海外渡航までに2回までしか接種できない場合が多いですが、現地もしくは帰国後に3回目接種を受けるようにしましょう。標準的ではありませんが、0、7、21日で接種することもあります。
副反応
一般的な副反応には、接種部位の腫れや痛み、発熱、倦怠感などがありますが、重篤な副反応は非常にまれです。
接種推奨
- B型肝炎流行地域に渡航予定の方 特に2016年より以前に生まれた方は定期接種されていません
- 医療従事者や性行為に伴う感染リスクがある方
- 長期滞在者や留学生 米国の多くの学校でHBワクチンの接種証明が要求されます
まとめ
B型肝炎は予防可能な感染症のひとつです。海外渡航する前に予防接種を検討しましょう。当院では、渡航先や滞在期間に応じた最適な接種プランをご提案します。お気軽にご相談ください。