腸チフス
腸チフスの概要
腸チフスは、サルモネラ・チフィ菌による感染症で、汚染された食品や水を介して広がります。潜伏期間は1~4週程度で、症状は発熱、倦怠感、腹痛、便秘または下痢などがあり、適切な治療を行わないと重症化する可能性があります。治療はキノロン系の抗生剤が使用されていましたが、耐性化が進んでおり注意が必要です。
流行地域
腸チフスは南アジア、アフリカ、中南米などの衛生環境が十分でない地域で多発しています。
予防
- 食品衛生: 飲料水や食品の安全を確保する。
- 予防接種: 流行地域を訪れる前にワクチンを接種する。
腸チフスワクチンについて
ワクチンの種類
現時点で日本で発売されているワクチンはありません。2025年6月ごろに不活化ワクチンの「タイフィム®」)が発売予定です。
用量用法
2歳以上の方に、1回0.5mlを筋肉内もしくは皮下に接種します。渡航2週間前までに接種します。感染リスクが高い人は2年おきに追加接種を行います。
効果
適切に接種することで、70%以上の予防効果が期待できます。
副反応
軽度の接種部位の痛みや発赤、全身の筋肉痛など軽微な症状などが一般的で、重篤なものはありません。
接種推奨者
流行地域への渡航を予定している方、特に長期滞在者に推奨されます。
特にインド、パキスタン、バングラデシュなど南アジアへの旅行の際には短期滞在でも接種をおすすめします。