黄熱の概要
黄熱は、黄熱ウイルスが原因の急性ウイルス性感染症で、主にネッタイシマカなどの蚊によって媒介されます。発熱、頭痛、筋肉痛、吐き気、嘔吐などの症状があり、重症化すると肝機能障害や出血を伴い、致死率が高まります。現在のところ、有効な治療法はありません。
流行地域
黄熱は、西アフリカおよび南米の熱帯地域で流行しています。一部の国では、黄熱ワクチン接種証明書(イエローカード)が入国条件となっています。
予防
- 蚊に刺されない工夫: 防蚊スプレーや長袖・長ズボンの着用。
- 予防接種: 渡航前にワクチン接種が推奨されます。
黄熱ワクチン
ワクチンの種類
黄熱ワクチンは指定医療機関もしくは検疫所での接種になります。
山陰地方では、鳥取大学医学部附属病院か広島検疫所で接種を受けることができます。
用量・用法
ワクチンは弱毒生ワクチンで、1回の接種で終わります。生ワクチンの接種と生ワクチンの接種は27日以上の間隔をあける必要があるため、接種を希望される方は、ほかのトラベラーズワクチンを接種した後に、黄熱ワクチンを接種するとスケジュールが組みやすいと思います。
効果
1回の接種後10日後には免疫が形成されます。WHOによると、接種14日後の免疫獲得率は99%に達し、一度接種すれば終生免疫を獲得できるとされ、高い予防効果が期待されます。
副反応
局所の腫れ、軽い発熱、頭痛などが主な副反応ですが、重篤な副反応は稀です。
安定剤にゼラチンが含まれるため、鶏卵やゼラチンアレルギーの方は注意が必要です。また9か月未満の乳児は脳症発症のリスクが高いため接種することができません。
接種推奨
- 黄熱ワクチン接種が要求される国に渡航する方
- 黄熱の流行地域に渡航される方
黄熱の国際予防接種証明書は接種10日後から一生涯にわたり有効です。2016年から有効期限が「10年」から「一生涯」に変更されました。