昨今、日本各地で毎年のように大規模自然災害が発生し、いつ自分が被災してもおかしくない状況があります。
医療的ケアが必要なお子さんにとって、長時間の停電は生命に危険を及ぼすこともあります。
例えば在宅で使う医療機器として、人工呼吸器、加湿加温器、機械式排痰補助装置、酸素濃縮器、吸引器、吸入器、経管栄養ポンプ、持続輸液注入ポンプ、パルスオキシメーター、腹膜透析などがあげられますが、すべて駆動に電気を必要とします。
災害時に必要な電源を確保することはとても重要なことです。
この記事では、災害時の備えとして、自助でできる範囲で電源を確保するためには何が必要かをいっしょに考えていきたいと思います。
(随時、UPしていきます)
使用する電気機器の必要電力の計算
例として、人工呼吸器を使用している場合
医療機器:人工呼吸器60W+(酸素濃縮器120W)+(加温加湿器100W)
- 酸素濃縮器を酸素ボンベに切り替える
- 加温加湿器を人工鼻に切り替える
- 喀痰吸引機は手動のものに切り替える
などにより消費電力を抑えることができます。
ちなみに、家電は、冷蔵庫200~400W、冷暖房200~500W、テレビ150~250W、ノートPC20~50Wの電力消費です。
外部電源の確保
使用している医療機器の外部バッテリーを用意
(使用している医療機器に内部バッテリーが内蔵されている場合は、その駆動時間を確認しておきましょう)
- 専用の外部バッテリーがある場合は、可能であれば複数本提供してもらいましょう
- 外部バッテリーの駆動時間、充電にかかる時間、充電に必要な電力、バッテリーチャージャー(充電器)の有無を確認しましょう
- 外部バッテリーは自然放電してしまうので、定期的に充電を行い、常に使える状態にしておきましょう。
市販の蓄電池をレンタルまたは購入
バッテリー技術の向上、アウトドアブームなど相まって、各メーカーから高性能・高機能の蓄電池が多くの種類発売されています。平時に充電しておくと非常時の電源として使用することができます。蓄電池は内部インバータ付きのものや、低容量のUPS(無停電電源装置)、USB出力付き、自動車やソーラーパネルから充電できるものなど、さまざまな製品があります。充電容量や充電時間などに注意して、必要な医療機器が連続駆動可能な適切な容量の蓄電池を選びましょう。(容量が大きくなると、値段も重量も大きくなります)
自家発電機をレンタルまたは購入
EENOUR インバーター発電機 XYG950i-B
ワット数700W 重量9.3kg
家庭用のカセットガスで発電ができます。駆動にはエンジンオイルが必要です。ガソリンは昨今、購入しにくいですので、カセットガスで発電できるのはありがたいです。重量もそこまで重くないので、持ち運び可能です。
福祉避難所について
福祉避難所とは指定避難所では避難生活が困難な、高齢者や障がい者などのうち、特別の配慮を必要とする方が避難する施設です。
参考資料
医療機器が必要な子どものための災害対策マニュアル 国立成育医療研究センター 医療連携・患者支援センター在宅医療支援室
医療が必要な子どもたちの防災対策 日本小児科学会災害対策委員会