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抗ヒスタミン薬は結局どれがいいのか?

アレルゲン(花粉、ハウスダスト、食物など)が感作されると、好酸球からIgEが産生され、肥満細胞からヒスタミンが分泌されることで、鼻炎やじんましんなどの様々なアレルギーの症状が誘発されます。このヒスタミンの遊離を抑えてくれるのが、抗ヒスタミン薬でアレルギーの内服薬の中心的な役割を果たしてくれます。抗ヒスタミン薬には様々な種類がありますが、基本的に作用機序は同じです。しかしながら、体質によって同じ抗ヒスタミン薬でも、効き目が異なったり、眠気などの副作用が強く出ることがあります。私は20年来アレルギー性鼻炎を患っていますが、最近開発されたお薬は本当に眠気が少なく、効果も優れていることを実感していますが、やはり薬によって効き目が違うことも実感しています。クリニックで抗ヒスタミン薬を処方する上で、飲みやすさや効果、副作用の点から、まとめてみようと思います。

第2世代の抗ヒスタミン薬

お薬の名前:先発品用量・用法眠気運転効果
(私見)
特徴
ルパタジン:ルパフィン®錠剤:12歳以上の小児・成人 1回10㎎(最大20㎎)1日1回デュアル作用
ロタタジン:クラリチン®錠剤、OD錠:7歳以上 1回10㎎1日1回
DS(1%):3歳~7歳未満 1回5㎎(0.5g)1日1回、7歳以上1回10㎎(1.0g)1日1回
デスロラタジン:デザレックス®錠:12歳以上の小児・成人 1回5㎎1日1回
オロパタジン:アレロック®錠:7歳以上 1回5㎎ 1日2回
DS(0.5%):2歳~7歳未満 1回0.5g 1日2回
エピナスチン:アレジオン®アレルギー性鼻炎 3歳以上7歳未満 0.5~1.0g 7歳以上1.0~2.0g
じんましん 3歳以上7歳未満 1.0g  7歳以上 2.0g
気管支喘息
にも適応
ビラスチン:ビラノア®錠:15歳以上 1回10㎎ 1日1回 空腹時なし増量可
フェキソフェナジン:アレグラ®錠:12歳以上 1回60㎎ 1日2回 7歳~12歳未満 1回30㎎ 1日2回
DS(5%):2歳未満 0.3g 2歳以上12歳未満 1回0.6g 12歳以上 1回1.2g
なし
レボセチジリン:ザイザル®錠:7歳以上15歳未満 1回2.5㎎ 1日2回 成人1回5㎎ 1日1回
シロップ:6か月~1歳未満2.5ml 1日1回 1歳以上~7歳未満1回2.5ml 1日2回
7歳以上~12歳未満 1回5ml 1日2回
DS:1歳未満1回0.25g 1日1回 1歳~7歳未満0.25g 7歳以上0.5g 1日2回
増量可
セチリジン:ジルテック®錠:7歳以上15歳未満 1回5㎎ 1日2回 成人 1回10㎎ 1日1回増量可
ベポタスチンベシル:タリオン®錠:7歳以上 1回10㎎ 1日2回
DS:ドライシロップ 2022年6月現在
三環系

ルパタジン(代謝活性物質デスロラタジン):ルパフィン®

デスロラタジン:テザレックス®

ロタタジン:クラリチン®

オロパタジン:アレロック®

エピナスチン:アレジオン®

ピペリジン骨格

ビラスチン:ビラノア®

フェキソフェナジン:アレグラ®

レボセチジリン:ザイザル

セチリジン:ジルテック®

ベシル酸ベポタスチン:タリオン®

エバステル:エバスチン®

第1世代の抗ヒスタミン薬

一昔前まではこどものかぜ薬にペリアクチン®をカルボシステインやアスベリンと一緒に混ぜたものが処方されることが多かったですが、いまはこのような処方はめっきり減りました。なぜなら、第1世代の抗ヒスタミン薬は脳内ヒスタミン受容体にも結合することから強い眠気を引き起こす(睡眠導入剤として使われることもあるぐらいですので、特に運転される方には処方できないです)ことと熱性けいれんを誘発してしまう可能性があることから、原則として第1世代の抗ヒスタミン薬は処方しません。また、鼻汁産生を抑制することから逆に鼻閉(鼻づまり)を悪化させてしまう可能性があり、クリニックでは、まずはかぜ薬や鼻汁吸引で処方し、それでも症状が続くお子さんやアレルギー性鼻炎の関与が疑われるお子さんに第2世代の抗ヒスタミン薬を処方します。(第1世代の抗ヒスタミン薬は処方しません)

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