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こどもの解熱剤の使い方

こどもで使う解熱剤は、安全性の面から「アセトアミノフェン」一択になると思います。

アセトアミノフェンにはいろいろな種類があり、例えば坐薬だとアンヒバ®、内服だとカロナール®、コカール®、市販薬だと小児用バファリン®、ムヒのこども解熱鎮痛顆粒®、こどもパブロン坐薬®などがあります。

NSAIDsと呼ばれるお薬(イブプロフェンやロキソプロフェンなど)はシクロオキシゲナーゼを阻害して、プロスタグランジン産生を抑制することで、痛みや炎症が軽減されます。一方で、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン®)やメフェナム酸(ポンタール®)ではインフルエンザ脳症との関連が示唆されており、原則として使用はしません。

解熱剤の効果

アセトアミノフェンがなぜ解熱効果があるのかはまだ十分に解明はされていませんが、中枢神経におけるシクロオキシゲナーゼの阻害作用やカンナビノイド受容体やセロトニンを介した下行性抑制系の賦活化作用などの機序が考えられています。

アセトアミノフェンの効果や使い方ですが、

  • 投与後、およそ2~3時間で解熱効果が現れます
  • 解熱効果は、1~2.5℃くらい
  • 効果の持続時間は6~8時間ぐらいです
  • 1回の使用量は1kg当たり10㎎~15㎎(最大500㎎/回)まで
  • 次に使うときは4~6時間の間隔をあけて
  • 1日量は1kg当たり60㎎(最大1500㎎/日)まで

「解熱剤を使用すると治りが悪くなる」は本当か?

解熱剤を使用したらかといって、発熱やかぜ症状の期間が延びたという研究はありません。アセトアミノフェンを使用することで、発熱や痛みが緩和するため、活気や機嫌が改善し、結果本人が安楽に過ごせることに寄与しているといえると思います。ですので、クリニックでは発熱のお子さんには親御さんに解熱剤処方の希望の有無を確認し、希望される場合は処方するようにしています。使うタイミングとしては、38℃以上でしんどそうな場合や痛みで苦しそうな時は使ってあげましょうと説明しています。

発熱のときにお風呂はどうしたらよいか?

私が子供のころは、お熱がある子はお風呂に入ってはいけないと親からよく言われていました。これってホントでしょうか?発熱時に入浴した方がいいのか、それともやめといた方がよいのか?これに対する明確なエビデンスは存在しません。

発熱時の発汗やあせもがこどもの不快感やかゆみにつながるのであれば、入浴することでそれらの症状の改善が図られると思います。お風呂に入るといっても、湯船につかるのか、シャワーだけにするのか、身体を拭くだけにするのか?とあり、一律に決めることはできませんが、発熱時にからだをぬるま湯で拭いてあげると、体温が下がるというエビデンスもあります。ですので、脱水や機嫌が悪くなければ、清潔や爽快感を得るために、お子さんの状態に応じて、お風呂に入れて(入浴、シャワー、清拭は問わない)あげることは問題ないですよというふうに私は伝えています。

解熱剤を使うと熱性けいれんが増えるのか?

「解熱剤を使用すると体温が上下するから、熱性けいれんの誘因になる」から、熱性けいれんの既往がある子は、解熱剤は使わないというのが私が研修医のころに教わったことでした。そのころから時代は、20年ぐらい過ぎたわけですが、実際のところはどうでしょうか?

解熱剤を発熱があるときに使ったとしても、少なくとも熱性けいれんの再発率は上昇しないことがわかっています。また、日本からの研究報告でも、熱性けいれんの再発率はアセトアミノフェンを使用すると低下する可能性があることが示されています。

ですので、熱性けいれんがあってもなくても、こどもがしんどそうな場合は解熱剤は積極的に使ってあげても問題ないと私はお伝えしています。

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アセトアミノフェンが配合されている市販薬

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