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学校感染症と出席停止の基準

小児科の外来をしていると、よく保護者さんから「出席停止になるか」について質問を受けます。以下に代表的な疾患をまとめましたので、参考にしてみてください。

第1種感染症

基本的に第1種の感染症は「治癒するまで」出席停止です。私も経験したことがない重症な疾患ばかりで覚える必要はないです。

感染症名出席停止期間
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルク病、ラッサ熱、急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ(H5N1)治癒するまで

第2種感染症

第2種の感染症(結核、髄膜炎菌性髄膜炎以外)は、下表のように個別に決定します。ただし「病状により学校医そのほかの医師において感染のおそれがないと認めた時」は、この限りではありません。

感染症名主な症状出席停止期間
インフルエンザ(鳥インフルエンザを除く)高熱、悪寒、関節痛、呼吸器の炎症症状発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)高熱、悪寒、咽頭痛、関節痛、呼吸器の炎症症状発症日を0日目として5日間の自宅療養が必要、6日目以降外出可能。ただし、発症後10日間経過するまではマスク着用や症状に注意が必要
百日咳頑固で激しい咳特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌剤による治療が終了するまで
麻疹(はしか)発熱、咳、鼻汁、目やに、発疹、粘膜のカタル症状解熱後3日を経過するまで
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)耳下腺、顎下腺の腫れと圧痛耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで
風疹(三日はしか)発熱、発疹、リンパ節の腫れと圧痛発疹が消失するまで
水痘(水ぼうそう)発熱、水疱、かさぶた・かゆみすべての発疹が痂皮化するまで
咽頭結膜熱(プール熱)高熱、結膜炎、咽頭炎主要症状が消失した後2日を経過するまで
結核咳、発熱、疲れやすさ症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
髄膜炎菌性髄膜炎発熱、頭痛、嘔吐など症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで

第3種感染症

第3種感染症はたくさんありますが、基本的に「症状に学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」です。

感染症名出席停止期間
コレラ症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
細菌性赤痢症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
腸管出血性大腸菌感染症症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
腸チフス症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
パラチフス症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
流行性角結膜炎症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
急性出血性結膜炎症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
溶連菌感染症(猩紅熱)抗菌薬投与開始後24時間経過し、症状が改善されるまで
マイコプラズマ肺炎抗菌薬投与開始後48時間経過し、症状が改善されるまで
手足口病発熱がなくなり、かつ全身状態が良好になるまで
ヘルパンギーナ全身状態が安定していれば登校(園)可能
伝染性紅斑(りんご病)発疹が消失し、かつ全身状態が良好になるまで
感染性胃腸炎症状が消失し、かつ全身状態が良好になるまで
サルモネラ感染症下痢が軽減するまで
インフルエンザ菌感染症
肺炎球菌感染症
急性細気管支炎(RSVなど)
発熱、咳などの症状が安定し、全身状態がよくなるまで
ウイルス性肝炎A型:肝機能が正常化するまで
B型:急性期でなければ登校(園)可能
EBウイルス感染症解熱し、全身状態が改善するまで
単純ヘルペス感染症口唇ヘルペス・歯肉口内炎のみであればマスクなどをして登校(園)可能
帯状疱疹病変部位が適切に保護してあれば接触感染を防げるため、登校(園)可能
伝染性膿痂疹(とびひ)出席停止の必要はない(プール、入浴は避ける) 
伝染性軟属腫(水いぼ)出席停止の必要はない(多発発疹者はプールでのビート版などの共用は避ける)
疥癬 
皮膚カンジダ感染症
白癬
出席停止はない 接触感染に注意する

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